人間ドック健診の大きな目的は、がん、脳卒中、心臓病などの命を脅かし、生活の質(QOL)を著しく低下させる病気やその原因となる危険因子を早期に発見し、早期治療に導くことです。病気の早期発見、早期治療は、命を守るのみならず、治療による体へのダメージを軽減してQOLを保持し、経済的負担を小さくすることができます。
人間ドック健診のもう一つの大きな目的は、将来病気を引き起こす可能性のある要因を明らかにし、改善のための助言・指導を行い、病気の芽を摘み、予防することです。いわゆる未病(いまだ病気であらざるもの)を治すことです。現在では、病気を早期に発見するということばかりではなく、病気が発症しないように予防することに主眼が置かれるようになりました。
自分が健康である、あるいは病気でないことを確認して安心するため人間ドック健診を受けられ方々も多くおられます。人間ドック健診の結果を踏まえた適切な指導は、根拠のない健康不安を抱えている人々に安心をもたらし、仕事や家事に向かう活力を与えてくれます。人間ドック健診を定期的に受診し、生涯の心身の健康管理の一助にしていただければ幸いです。