診療科目
循環器外科

循環器外科 教授 湊 直樹
胸部心臓血管外科学教室は、1956年に開設されました。以来、人工心肺の導入等、心臓血管外科治療を全国に先駆けて行う等、本邦の胸部心臓血管外科医療の発展に多くの役割を担って参りました。今村洋二教授の退官後、2009年4月16日付けで、湊 直樹が主任教授として着任しました。
私たちは、心臓血管外科(循環器外科)として、診療・教育・研究を行っています。
2006年1月に枚方病院に移り、当院および近隣の循環器科、内科の先生方との連携で、救急から慢性疾患まで幅広い医療活動を行っています。枚方病院では施設、設備、スタッフの充実化のもと最先端医療技術を取り入れ、安全第一をモットーとし、病気やその治療法の十分な説明を行うなど、患者さんが安心して手術を受けていただけるように配慮をしています。定期の手術はもちろんのこと、急性大動脈解離や大動脈瘤破裂などの超緊急疾患にも随時対応し、良質の手術を良い成績で行うことで、広く地域の人々に貢献したいと考えています。
心臓血管外科の外来診療は、循環器内科と同じ場所で行っており、いつでもお互いに相談しながら、連携良く運営しています。かかりつけのドクターからのご紹介の際には、ぜひ地域連携室をご利用下さい。緊急に治療が必要な場合は、胸痛センター内CCUホットラインを通じて、随時お受けします。
患者さん紹介用連絡先
定時:地域医療連携室 072-804-2742 (fax: 072-804-2861)
緊急:胸痛センター内 CCUホットライン 072-804-2602
科の特徴
当科では、循環器内科、小児科をはじめ各科と密接に連携し、国際水準を充分に満たす先端医療の提供に努めています。また、重症例、緊急手術も出来る限り受け入れており、治療精度のさらなる向上はもとより、より多くの症例を実施出来る設備、スタッフの充実化を進めています。
心臓血管外科の診療内容
次の疾患の手術治療を行っています。
心臓
冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞、およびその合併症)
心臓弁膜疾患
先天性心疾患
不整脈:心房細動に対するメイズ手術
その他:心臓腫瘍、心臓外傷 など
なお、以前行っておりました ペースメーカー、ICD、CRTDの治療は、循環器内科に移行しました。
大動脈
a. 真性大動脈瘤
胸部大動脈瘤(上行、弓部、下行大動脈瘤)
胸腹部大動脈瘤(胸部から腹部にかけての広範囲な大動脈瘤)
腹部大動脈瘤
b. 大動脈解離
急性大動脈解離(突然発症の解離)
解離性大動脈瘤(急性大動脈解離が、慢性期に拡大し瘤化したもの)
c. 大動脈外傷(交通外傷による大動脈断裂等)
末梢血管
下肢閉塞性動脈硬化症
頸動脈硬化症
急性動脈閉塞(血栓閉塞、塞栓 等)
末梢動脈瘤
透析用の内シャント造設
静脈疾患は扱っておりません
科の実績
2012年1月-2012年12月
総数 203例(心臓・胸部大血管手術 158例/非開心術 45例)
同時施行を含むため、個々の手術例は重複あり
A : 心臓・胸部大血管手術 : 計 158例
心臓 : 計134例
冠動脈バイパス術(CABG) : 79例
弁膜症手術 : 81例
僧帽弁形成術 21例(形成成功:100%)
Maze手術併施 16例
その他開心術 : 4例 (心臓腫瘍、心破裂等)
先天性心疾患手術 : 13例
胸部大動脈手術 : 計24例
真性瘤 14例 大動脈解離10例(急性8、慢性2)
上行置換 11例
上行-弓部全置換 8例
胸腹部置換 1例
Bentall+上行置換 1例
下行置換 3例
B : 非開心術 : 計 45例(腹部大動脈瘤 22例、末梢血管 12例 その他 11例)
専門医制度と連携したデータベース事業について
病院医療の崩壊や医師の偏在が叫ばれ、多くの学会や団体が医療再建に向けて新たな提言を行っていますが、どのような場所でどのような医療が行われているかが把握されていない状況では、患者さん目線の良質な医療は提供できません。
そこで、日本では、関連する多くの臨床学会が連携し、わが国の医療の現状を把握するために、「一般社団法人National Clinical database」(以下、NCD)を立ち上げ、データーベース事業を開始することになりました。
この法人における事業を通して、患者さんにより適切な医療を提供するための専門医の適正配置が検討できるだけでなく、最善の医療を提供するための各臨床現場の取り組みを支援することが可能となります。
何卒趣旨をご理解の上、ご協力賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
一般社団法人National Clinical database 代表理事 里見 進
詳細は、こちらをご参照ください。 PDF ダウンロード
スタッフ
湊 直樹 教授

専門分野 |
認定資格 |
心臓血管外科全般 |
日本外科学会 認定医、専門医、指導医、代議員
日本胸部外科学会 認定医、指導医、評議員
日本心臓血管外科学会 専門医
関西胸部外科学会 評議員
臨床修練指導医
|
角田 智彦 診療講師

専門分野 |
認定資格 |
心臓血管外科全般
先天性心疾患 |
日本外科学会 認定医、専門医
日本胸部外科学会 認定医
日本心臓血管外科学会 専門医 |
岡田 隆之 講師

専門分野 |
認定資格 |
心臓血管外科全般 |
日本外科学会 専門医
日本循環器学会 専門医
日本心臓血管外科学会 専門医
認定産業医 |
Q&A 当科へよくある質問とその答え
1.心臓血管の手術は‘いのち’に関わる危険性があるのでしょうか?
心臓は‘いのち’の源であり、‘老い’は血管からくるといわれていることから、い
ずれの病気も放っておけば致命的となります。それを治すための手術治療にも、
ある程度の危険性はあります。当科での手術の危険率は日本全国のデータ
(JACVSD)や欧米のデータ(Euro SCORE、STS)と比較しても標準以上の
良好な成績をおさめています。しかし喫煙や過食、肥満等の生活習慣の改善を図れ
ない場合は、治療効果が長つづきしないことや術後の合併症も高くなることが分
かっています。ご自身から治療へ向き合った方へは、その危険性を超えて社会復
帰していただくことを目標に全力で治療にあたっています。
2.入院日数はどのぐらいになるでしょうか?
手術の約1週間前の入院となり、術後は集中治療を経て2日目に一般病棟へ移
動します。リハビリテーションを順調に終えられると、術後2週間程度で退院が可能
です。元々の病気の状態や合併症によっては入院期間が長くなる場合もありま
す。以前のように術後安静・寝たきりで、回復を待つのは逆効果をと分かり、現在
は早期離床から早期社会復帰へのサポートをしております。
3.心臓以外の持病があります。また高齢でも手術が受けられますか?
同じ病気や病名でも、患者さん自身の状態により手術の危険度は様々です。手
術前の検査で、心臓血管以外の病気や体力(耐術能)の評価もして、患者さんひ
とりひとりに応じた治療方法を常に心がけています。以前のように年齢だけで手
術をするしないを決める時代ではなくなりましたので、当科では80歳を超えた方
への手術も積極的に行っています。
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