乳腺外科 診療科長 診療教授 杉江 知治
乳腺外科は、乳がんをはじめとする乳腺疾患を専門に扱う科です。日本の女性の悪性腫瘍の中で、乳がん罹患率は第1位であり、死亡率も年々上昇しております。乳がんは早期発見によって90%以上が治せる疾患です。乳がんの治療には手術、放射線治療といった局所治療に加え、抗がん剤、ホルモン剤、分子標治療薬による全身治療があります。手術だけでなく、全身治療を含めた集学的治療を行うことによって乳がん再発が防止できます。
当科では、個々の患者さんに合った個別化治療を実践し、安全で安心な乳がん診療を提供いたします。さらに、先進医療や多施設共同臨床試験を通して次世代型医療の開発にも積極的に取り組んでおります。また、教育面では、乳腺疾患の特性から、特に女性乳腺外科医の育成にも力を注いでいます。
現在進行中の先進医療
・術後のホルモン療法及びS-1内服投与の併用療法
原発性乳がん(エストロゲン受容体が陽性であってHER2が陰性のものに限る。)
・術前のホルモン療法及びゾレドロン酸投与の併用療法
閉経後ホルモン感受性の乳がん(長径が五センチメートル以下であって、リンパ節
転移及び遠隔転移しておらず、かつ、エストロゲン受容体が陽性であって、HER2
が陰性のものに限る
乳腺疾患全般に対する診断と治療を行っています。
特に乳がんの診療については、診断から手術、薬物療法、放射線療法と、それに伴うリンパ浮腫などを含めた合併症の治療、治療後のフォローアップを一貫して行っています。
大学附属病院である利点を生かし、関係各科、各領域の専門医(形成外科医、放射線診断医・治療医、病理医、緩和ケアチーム)との密接な連携のもと、乳房再建を含めた手術療法、薬物療法、放射線療法などを組み合わせた集学的治療を行っています。
また、精神面でのサポート体制も整っています。併存疾患のある方も関係各科との密接な連携の下、診療を行っています。
2012年
(1月~12月)
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2013年
(1月~12月)
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2014年
(1月~12月)
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全身麻酔手術 | 168 | 156 | 158 | |
局所麻酔手術 | 33 | 24 | 35 | |
乳癌手術 | (全術式) | 158 | 147 | 149 |
部分切除 | 58 | 69 | 98 | |
乳房切除術 | 73 | 63 | 44 | |
皮膚温存乳腺全摘 | 27 | 15 | 7 | |
センチネルリンパ節生検 | 102 | 102 | 110 |
当診療科の対象疾患
乳腺疾患(乳癌、乳腺腫瘍、乳腺症、乳腺炎など)
こんな症状はありませんか?
乳房のしこり、痛み、乳頭からの異常分泌などの乳房の異常。
また、検診などで異常を指摘された方。
⇒乳癌の可能性がありますので、お気軽にご相談ください。
自覚症状のない方でも、定期検診も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
マンモグラフィー検査
しこりの有無やかたち、大きさ、石灰化の有無を評価します。
常時数名の女性技師が待機し、撮影はほぼ全て女性技師が行います。
超音波検査
しこりの有無やかたち、大きさ、硬さ、血流などを評価し、細胞診や組織診が必要かどうかを判断します。
穿刺吸引細胞診、針生検
超音波・マンモグラフィーによる観察を行いながら各種の生検を行います。
MRI検査
病変部の広がりや副病変の有無などを精密に診断します。
CT検査・PET-CT検査・骨シンチ検査
乳がんの転移・再発の診断に対し、行います。
専門分野 | 認定資格 |
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乳腺 | 日本乳癌学会認定医、専門医、指導医 日本外科学会認定医、専門医、指導医 日本消化器外科学会認定医、専門医 マンモグラフィー認定読影医(A判定) 日本がん治療認定機構 がん治療認定医 |
専門分野 | 認定資格 |
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乳腺 | 日本乳癌学会認定医 日本外科学会専門医 マンモグラフィー認定読影医(A判定) 日本がん治療認定機構 がん治療認定医 |
専門分野 | 認定資格 |
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乳腺 | マンモグラフィー認定読影医(A判定) 日本乳がん検診精度管理中央機構超音波講習 A判定 |
専門分野 | 認定資格 |
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乳腺 | 日本乳癌学会認定医 日本外科学会専門医 マンモグラフィー認定読影医 |
平成26年4月より新しくなった化学療法外来にて、快適に化学療法を受けていただくことができます。加えて女性医師の診察も希望していただけます。
外来・検査時には、女性技師などの女性スタッフを多く配置しております。また、入院時は女性診療病棟にて、清潔な空間で、安全で高度な医療を安心して受けていただくことができるように、スタッフ一同心がけております。
午前8時30分~午前11時30分
午前8時~午後5時