概要・ご挨拶

アレルギー性疾患に対する地域医療の基幹拠点病院



2つの分院と連携し、横断的に、均質で高度な医療サービスの提供

センター長ご挨拶

関西医科大学 附属病院アレルギーセンター センター長 金子一成

 アレルギーは、約2人に1人が何らかのアレルギー疾患を持っており国民病と認識されています。例えば、アレルギーの特徴として食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎などは幅広い年齢層に分布しており、併発する事もあるため、その治療には多くの診療科が関係します。また、食物アレルギーなどでは、原因となる物質を究明することが困難な症例もあります。

 そこでこの度、こうしたアレルギー性疾患に対して、関西医科大学附属病院(枚方市)に地域医療の基幹病院となる、アレルギーセンターを開設しました。当センターでは全ての症例に対応できる体制を構築し、質の高い医療サービスを提供しています。と同時に、患者さんの医療情報を2つの分院、総合医療センター(守口市滝井)・香里病院(寝屋川市香里園)と共有し、どの病院でも専門医による均一な医療サービスを受けることが可能です。

 さらに、原因が不明な場合や高度な治療技術が必要な場合、専門性の高い医師と意思疎通を図るのはもちろん、検査部や看護部、薬剤部などと協力して対応することができる、横断的な体制を構築しています。

 また、大学の責務として、質の高い地域医療を提供するだけでなく、将来のアレルギー診療を担う学生や医師だけでなく、看護師、検査技師、薬剤師などのコメディカルの人材教育と、新しい治療法の研究開発にも取り組んでいます。

 アレルギーで悩む一人でも多くの患者さんに、高度で安全・安心できる診療を届けるために、私たち関西医科大学附属病院アレルギーセンターは業務に邁進していきます。

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受診・診療の流れ

 附属病院アレルギーセンターは、基本的に紹介・予約制です。受診を希望される場合は、かかりつけの医師にご相談の上、紹介状をご持参ください。当院地域医療連携部(アレルギーセンター窓口)で、ご予約をお願いします。また、紹介状が無い場合でも診療を受け付けています。その場合は、受診相談窓口でご対応させて頂きます。

 尚、紹介状が無い場合は、高度な医療を提供する特定機能病院のため初診料のほかに、厚生労働省で定められた制度(保険外併用療養費制度に基づく選定療養費)として5,000円(税別)が必要となりますのでご了承ください。

 具体的な受付から受診までのフローチャートを下図に示します。ご不明な場合は、当院アレルギーセンター窓口にご連絡下さい。



■受診の流れ



※画像クリックで拡大


※附属病院2階「地域医療連携部受付」「受診相談窓口」の場所は、こちらのページの「各種受付・窓口」でご確認いただけます。

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診療内容と特色

 アレルギーセンターでは、以下の各診療科で取り組んでいる診察内容と特色のあるサポート体制で患者様に質の高い医療を提供しています。

 

  1. 診療内容

  2. 診療連携

  3. 教育

  4. 研究

  5. 情報発信

 

1.診療内容

喘息・気道アレルギー

 原因のわからない咳や息苦しさが長引いたり、喘息と診断されたのになかなか症状が安定しなかったりなどでお困りの方と、一緒に解決策を考えていきます。きめ細かく診断と治療方針を、納得のいくまでご説明し、実践することを目指しています。また、アレルギーセンターを通じて、小児期から続く喘息のフォローアップを小児アレルギー科から引き継いだり、鼻・副鼻腔炎を合併する喘息を包括的に診療したりすることが可能になります。

  さらに「好酸球性副鼻腔炎」や「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」などの難病指定疾患も、各科と連携して対応しています。アレルギー性気道炎症における最先端の治療オプション(吸入薬や抗体製剤など)のみならず、病態についての新しい知見を常に提供させていただけるような環境づくりに励んでいます。



小児アレルギー・食物アレルギー

 平成26 年に、大学病院としては全国で初めて小児アレルギー科を開設したのが、関西医科大学。小児の主なアレルギー疾患には、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、食物アレルギーがあります。アトピー性皮膚炎、気管支喘息は市中病院や診療所でも診療できますが、食物アレルギーはアナフィラキシーショックを起こす可能性があり、アレルギー専門医と設備の整った施設以外では診療できません。

 そのため、当センターのように食物アレルギー診断と治療が可能な施設はとても少ないのが現状です。特に最近は食物アレルギーの治療方針が、「除去」から「摂取」へと大きく舵が切られたため、食物経口負荷試験が不可欠。当センターでは、微量の食品でショック症状を起こす子供たちにも食べることが出来るようにする、経口免疫療法を実施して大きな成果をあげています。マスコミにも注目されており、何度か取り上げられています。



鼻副鼻腔・口腔咽頭アレルギー

 難治性のアレルギー性鼻炎や難病指定疾患「好酸球性副鼻腔炎」を中心に、花粉症と合併する口腔咽頭アレルギー「口腔アレルギー症候群」も含め幅広く診療を行っています。保存的治療(内服薬や点鼻薬)に抵抗するアレルギー性鼻炎に対してはレーザー治療や内視鏡下手術も積極的に導入しています。出血を伴わず入院を必要としないCO2レーザー療法や選択的後鼻神経切断術など特色のある治療で良好な成績をあげています。その他、スギ花粉症やダニアレルゲンによる通年性アレルギー性鼻炎に舌下免疫療法を実施しています。
 

 アレルギー性鼻炎や好酸球性副鼻腔炎は、高率に気管支喘息を合併し、難治化することが知られています。そこで、当科では上・下気道を包括的にケアするために、呼吸器アレルギー専門医と合同で「気道外来」を2014年1月から全国に先駆けて開設しています。
 



アトピー性皮膚炎・皮膚アレルギー

 湿疹や蕁麻疹(じんましん)として、アレルギー症状が皮膚に出ることは少なくありません。その際、まずは皮膚科診療に精通した医師によって、その症状がアレルギーによるものかをしっかりと鑑別する必要があります。アレルギーによる症状であることが分かった場合には、湿疹であればステロイドの外用を、蕁麻疹であれば抗ヒスタミン薬の内服をしっかりと行っていただく必要があります。

 これら薬の使い方を指導するとともに適正に治療が行えているかを再診し、患者さんと一緒に確認しています。また、必要があれば皮膚テスト(スクラッチテストやパッチテスト、光線テスト)によって症状を引き起こしている原因をつきとめ、今後の生活の中でそれらを避けるための指導も行います。



目のアレルギー

 アレルギー性結膜炎は季節性のものと通年性のものがあります。ただ、その治療はアレルギーの有無に関わらず抗アレルギー点眼薬の使用や、人工の涙でアレルゲンを洗い流すなどで、重症の際はステロイド点眼薬を使用します。アトピーを伴う場合は重症化することが多く完治が困難です。また、若い人に多い春季カタルという病気では上まぶたの裏に巨大乳頭と呼ばれるぶつぶつが生じ、これも治療に時間がかかります。

 これら難治性疾患の治療には十分に炎症を抑えることが重要で、免疫抑制剤点眼薬を使用したり、まぶたの裏の巨大乳頭を外科的に切除したりします。通常多くのアレルギー性結膜炎は点眼で治癒するため、まずは近くの眼科を受診していただき、難治の場合には当センターを受診ください。

2.診療連携

アレルギーセンター連携図

 アレルギーは体内の免疫異常によって引き起こされますが、膠原病などで免疫異常が重なるケースでは、診断に至らない事があります。その様な症例に対して当アレルギーセンターでは、構成診療科と、連携する診療科とともに、その究明を行います。特に、アナフィラキシーショックなどの急変時には、救急医学科とも連動して治療にあたります。

 また、原因物質を特定することが出来ない場合もあります。そのため、当アレルギーセンターはハイレベルな解析機器を取り揃えた臨床検査部と連携し、アレルギー指導医資格を持つ臨床検査専門医が原因物質の究明・特定を担当。多種多様な原因物質の特定を可能とする体制を構築しています。

 さらに、看護部や薬剤部とも連携することで、均質で高度な医療サービスの提供を実現しています。

3.教育

1)総合アレルギー科医の育成
アレルギー科認定施設を取得しています

2)医療従事者の育成
アレルギーに特化した薬剤師・看護師などの医療従事者の育成を行います

3)学生の受け入れ
アレルギーに興味のある学部生、看護学生の見学を受け入れる予定です

4)カンファレンス
各診療科と連携を取って診療の向上を目指すために合同のケースカンファレンスや基礎講座との勉強会を開催する予定です

4.研究

 アレルギーセンターでは、各診療科や基礎医学の講座と連携して、アレルギーの解明と新しい治療方法を開発するために研究に取り組んでいます。特に、各診療科の患者様から同意して頂いた血液などのサンプルを連携して横断的に解析しています。患者様と医療従事者との協力は、新しい薬、医療機器、診療手法などの医学の進歩につながると考えます。大学が一丸となって横断的に臨床と基礎をつなげる実践的な臨床基礎研究を進め、その臨床応用を目指しています(研究内容は近日公開予定です)。

 また、当センターでは、実際に発売される前の最新のお薬を試して頂く臨床治験も行っています。興味のある患者様は、各診療科の担当医に問い合わせてください(過去の実績と今後の予定は近日公開予定です)。

5.情報発信

1)市民公開講座

 一般の方にアレルギーを広く知って頂くための市民公開講座を積極的に開催しています。次回の市民公開講座は2018年2月17日(土)を予定しており、詳細は決まり次第お知らせいたします。



2)地域の医療従事者向け勉強会

 診断、治療、研究成果など最新の医療情報を提供するための勉強会を開催しています。最新の勉強会開催情報は、決まり次第お知らせいたします。



3)学会・論文発表

 アレルギーに関して学会・論文発表を行っています。当センター所属医師の、学会・論文発表は近日公開予定です。




【メディア紹介実績】

2017.9.19 テレビ大阪「ニュースリアル」
アレルギーに関する特集で、耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座小林良樹講師が出演。アレルギー検査を受検したキャスターに結果を解説する様子や、国が検討しているアレルギー疾患拠点病院制度に関するコメントが放送されました。
2017.5.31 テレビ大阪「ニュースリアル」
当センターが取り上げられ、アレルギー疾患に対する最新の考え方や、乳幼児期からできるアレルギー疾患の予防アプローチなどについて、皮膚科学講座神戸直智准教授のコメントが放送されました。また、アレルギー対策について耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座小林良樹講師、小児科学講座畑埜泰子助教のコメントが紹介されました。
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診療スタッフ

氏名 専門分野 認定資格
呼吸器・感染症内科
【副センター長】

宮良 高維診療教授
呼吸器内科・
感染症内科
日本内科学会総合内科専門医
日本呼吸器学会専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医
日本感染症学会専門医・指導医
日本結核病学会結核・抗酸菌症専門医・指導医
日本化学療法学会抗菌化学療法専門医・指導医

小林 良樹講師
臨床小委員会委員長
呼吸器内科・
アレルギー内科
日本内科学会総合内科専門医
日本アレルギー学会専門医・指導医
日本呼吸器学会専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会専門医
日本感染症学会専門医

谷村 和哉先生
呼吸器内科 日本内科学会総合内科専門医
日本呼吸器学会専門医・指導医
日本アレルギー学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
血液腫瘍内科

伊藤 量基病院教授
研究小委員会委員長
免疫疾患 日本内科学会認定医・総合内科専門医
日本血液学会専門医・指導医
日本リウマチ学会専門医
日本造血細胞移植学会認定医
日本輸血・細胞治療学会細胞治療認定管理師
小児科
 
畑埜 泰子助教
臨床小委員会
小児アレルギー アレルギー学会専門医・指導医
小児科学会専門医

副島 和彦助教
小児科全般
小児アレルギー
小児科学会専門医
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
 
朝子 幹也教授
(総合医療センター)
臨床小委員会
鼻副鼻腔疾患
アレルギー疾患
日本耳鼻咽喉科学会専門医
日本アレルギー学会専門医・指導医
 
濱田 聡子講師
(香里病院)
臨床小委員会
鼻副鼻腔手術
免疫・アレルギー
難聴 めまい
日本耳鼻咽喉科学会専門医
補聴器適合判定医
身体障害者認定医師
日本アレルギー学会専門医

池田 浩己先生
鼻科学
鼻アレルギー
副鼻腔炎
シックハウス
日本耳鼻咽喉科学会専門医・
専門医研修指導医
日本アレルギー学会専門医・指導医
日本医師会認定産業医
日本耳鼻咽喉科学会補聴器相談医・
適合判定医
日本鼻科学会代議員
皮膚科
【副センター長】

神戸 直智准教授
臨床小委員会委員長
蕁麻疹
アトピー性皮膚炎
皮膚アレルギー性疾患
日本皮膚科学会専門医

上津 直子医員
接触皮膚炎
光線過敏症
皮膚アレルギー性疾患
日本皮膚科学会専門医
日本アレルギー学会専門医

岸本 泉医員
接触皮膚炎
皮膚アレルギー性疾患
眼科

嶋 千絵子助教
臨床小委員会
糖尿病網膜症
角膜疾患
白内障
日本眼科学会専門医
心療内科

橋爪 誠先生
気管支喘息ほか
アレルギー疾患の
心身医療
日本心身医学会専門医
日本心療内科学会専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
日本アレルギー学会認定専門医
臨床検査部

神田 晃病院准教授
臨床検査全般 日本アレルギー学会専門医・指導医
日本臨床検査医学会専門医・管理医
日本耳鼻咽喉科学会専門医

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診療実績(2016年4/1~2017年3/31)

■新規患者数

   成人 小児 
総数 内、紹介患者 総数 内、紹介患者
気管支ぜん息 242 155 29 11
アトピー性皮膚炎 133 76 52 20
アレルギー性鼻炎 235 104 40 19
花粉症 10 0 2 1
アレルギー性結膜炎 41 5 4 1
食物アレルギー 18 17 113 92
アレルギー性じん麻疹 17 5 7 4
アナフィラキシーショック 4 1 0 0
アレルギー性皮膚炎 2 2 0 0
※単位は「人」

 

■アレルギー疾患患者の逆紹介数


成人 逆紹介数 小児 逆紹介数
気管支ぜん息 45 1
アトピー性皮膚炎 13 3
アレルギー性鼻炎 18 3
花粉症 0 0
アレルギー性結膜炎 2 0
食物アレルギー 1 25
アレルギー性じん麻疹 2 1
アナフィラキシーショック 0 0
アレルギー性鼻炎 0 0
※単位は「人」

 

■食物経口負荷試験実績

外来検査件数 932件
入院検査件数 140件

 

■免疫療法実施実績

舌下免疫療法 7件
皮下免疫療法 11件

 

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