20代のがん患者さんに触れて、
意思決定支援の大切さを実感。
香里病院に入職する前に勤めていたがんの専門病院では、積極的治療から緩和ケアへ移行された終末期のがん患者さんを担当することが多く、患者さんの意思決定への支援も経験しました。中でも印象に残っているのは、20代のがん患者さん。終末期であるご自身の病状もよく理解していて、「1日でもいいから家に帰りたい」という希望をお持ちでした。その後、ご家族のサポートのもと酸素10Lを使用しながら退院し、翌日に家で息を引き取られました。このことを目の当たりにした新人看護師の私は、あたりまえですが患者さんそれぞれに人生があって、考え方や選択もそれぞれ違うことを強く実感したのです。患者さんへの向き合い方について考えるようになったのはこの頃からだったと思います。