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地域生活援助論実習Ⅰインタビュー

地域生活援助論実習Ⅰ

西粟倉村の特性を生かした住民ひとりひとりに寄り添った保健師さんの活動を見学させていただきました!

3年次
下山 美桜さん

西粟倉村の実習に参加された感想を教えてください。

大変実りある実習でした。入学後に、保健師に関する講義や実習も経験はありましたが、実際に展開されている保健師さんの活動を間近で見学できる経験は大変勉強になりました。また、西粟倉村のようなこれまでの実習地とは特性が大きく異なる地域を経験することができて視野が広がったと思います。

実習地として、なぜ西粟倉村を希望されましたか?

西粟倉村は、人口が少なく、医療資源も少ない地域であり、そこでどのようなエリアなのか見てみたかったというのが、実習の行き先として選んだ理由です。自然豊かで人のつながりを大変感じられるところと先生が紹介してくださったこともあり、行ってみたいと思いました。

現地に着いた際は、電車の本数が少なくてびっくりしたり、終電が16時台という状況に驚いたりしましたが、人口が少ないという地域の特性を活かし住民の方に寄り添った保健医療活動が展開されていることがよくわかりました。
(写真:地区踏査の途中で出会ったあたたかな歓迎)
 

実習中にはどんな活動をしましたか?

西粟倉村役場の保健福祉課で実際の保健師さんの話を聞かせていただきました。また西粟倉村が実施している「リハビリ教室」にも参加させていただき、参加者の方のバイタル測定を行ったり、一緒に体操に参加させていただいたりしました。この「リハビリ教室」は、村が事業として実施しているもので、参加者は健康を維持するため、音楽に合わせた体操や、おもりを付けての体操などに取り組んでいます。また、参加者を募るため、保健師の方が住民の方に電話をして呼びかけるなどしていると聞き、人口が少ないことを活かした密なコミュニケーションを取っていることがわかりました。

「リハビリ教室」では参加者の方ともお話をする機会がありました。ある方は自身での自動車による移動などは難しい方だったのですが、福祉バスを使ったり、村の住民のボランティアによる送迎サービスを利用したりしていると聞き、村全体での仕組みがあることに驚きました。

また、「であい茶屋」という高齢者サロンにも参加し、地域の高齢者の方とお話しすることができました。参加者の方が「高齢者同士で話せる機会があまりないが「であい茶屋」のような場があることで、似た立場の方と話せることがとても嬉しい」と語っていたのがとても印象的でした。その方は、このような事業があることで「外に出たい」という思いを強く持つようになったそうです。この「であい茶屋」はボランティアの方が中心となっていると聞き、住民全員が活躍できる場を提供することも、保健師の役割の一つであると学びました。

地区踏査では、実際に対象のエリアを歩きながら、地区の様子を観察しました。地区踏査の間も「どこから来たの」などと、住民の方が声をかけてくださり、温かさを感じました。

さらに障がい者の方のための施設への見学やグループホームの見学にも行き、そこでもその方に合わせた環境でのケアが行われている様子を見ることができました。

実習の中で学んだことや印象に残っていることを教えてください。

保健師さんの話では、「健康意識については個々人により差があり、健康に関心がない方に対してどのように働きかけていくかが重要」と語っていたのが印象的でした。その方に合わせたサービスを考えるということが保健師の大切な役割であること、そしてその人や地域に合わせた保健事業を行うためには、その地域での生活する人々の健康状態や生活環境などの実態を把握し、どのような働きかけが必要かを分析する「地域診断」も重要な要素であることを、この実習を通して学びました。その人にあったサービス、その人が必要としている医療や福祉のサービスというのは個人によって異なっています。西粟倉村では、職員の方が「誰も取り残さない」という意識をもって保健医療活動に取り組んでいるそうです。
(写真:インタビューに答える下山さん)

「生活や人を見る」という視点は看護師にとっても大切ですが、保健師は予防に重点を置いていることから、病気になって病院に来る方だけでなくあらゆる健康レベルの人を対象とするため、この「生活や人を見る」という視点が特に重要です。このことを、今回の実習を通してあらためて実感し、学ぶことができました。

そして対象者の健康な状態をいかに維持するかというところが大切であることも学びました。実際に行われている保健師さんによるケアを見ると、その人それぞれにあったサービスが提供されていることがわかりました。

西粟倉村では、村のモットー「生きるを楽しむ」を掲げています。保健師さんもこのモットーを大切にし、住民の方々とも一丸となって取り組んでいる様子を見ることができました。

最後に受験生の方へのメッセージがありましたらお願いします!

もともと、保健師の国家試験受験資格を全員が取得できるというところに魅力を感じ、関西医科大学看護学部を志望しました。実際、今回の実習での学びを通し、視野が広がったことを感じています。

関西医科大学看護学部では、看護師と保健師の国家試験受験資格を取ることができます。4年間で学ぶ中で、どちらもの視点を身につけられるというのは、今後、どちらの進路に進むうえでも大変有意義であると感じました。

看護学部は、どの大学でも学ばなくてはならないカリキュラムは決まっていますが、本学ではそれに加え、一年次のときから実習があったり、地域での実習があったりして学びを深められるので「いろいろな視点を持ちたい」と思っている方にはとてもおすすめです!