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研究紹介(理学療法学科_リハビリテーション工学分野)
人の動きを科学して個別化リハビリへ 理学療法×最新テックで広げる未来
森 公彦 講師
専門領域:リハビリテーション工学
研究分野:ニューロリハビリテーション、リハビリテーション工学

研究から見える未来
運動障害を抱える人の「歩けるようになりたい」を叶えるため、AIや三次元解析、ロボットを活用したリハビリを研究しています。熟練者の技術をデータにして見える化し、誰でも質の高い指導を行えるようにすることが目標です。最新技術でリハビリの未来を切り開く、理学療法士を目指しましょう。
目指す未来
どこでも質の高いリハビリを受けられる社会づくり
先生にインタビュー
Q1.先生の専門領域について教えてください
工学的技術により運動や機能回復を支援する分野です。高精度機器や歩行支援ロボットなどのAIを用いて身体動作を定量的に評価し、より効果的なリハビリテーションを実現します。経験に基づいた従来の治療や評価を、データにして客観化できる点が大きな特長です。ウェアラブルセンサーやロボット技術の進歩により、臨床現場でリアルタイムな評価・フィードバックが可能になり、理学療法の新たな可能性を広げています。
Q2.先生が取り組まれている研究について教えてください
脳卒中後の片麻痺者をはじめ、あらゆる患者層を対象に歩行や動作特徴をデータ化し、それに基づいた最適なリハビリテーションを検討しています。特に、歩行や動作の力学的特徴と身体運動の特徴量の関係に着目し、機械学習で解析しています。歩行ロボットや下肢装具を用いて、患者さんごとの有効なサポートを明らかにする研究も進行中です。歩行パターンを分類し、それぞれに適した「個別化リハビリテーション」の実現を目指しています。
Q3.先生が研究に取り組まれたきっかけを教えてください
臨床現場で患者さんの歩行を評価する際、経験や主観に頼る場面が多く、治療効果の判断に難しさがあります。同じ病名でも実際抱えている問題はケースバイケースです。より客観的に評価できる方法の必要性を強く感じました。そこで、動作解析や工学的手法を取り入れ、歩行の仕組みを科学的に理解し、治療に活かしたいと考えたことが研究の出発点です。理学療法と工学とを融合することで、より精度の高い評価と効果的な介入が可能になると考えています。
Q4.研究の目的や今後の展望はありますか?
「個別化リハビリテーション」実現のためには、データを基に患者さんの特徴を分類し、各々に適した介入法を提示するシステム構築が必要です。将来的にはウェアラブルセンサーやロボットを用いて、臨床だけでなく在宅でもリアルタイムにフィードバックが得られる環境を実現したい。理学療法士の専門的な知識とテクノロジーとを融合させることで、より質の高いリハビリテーションを社会に提供していきたいと考えています。
【研究TOPICS】測定データをもとに各患者さんに適した「個別化リハビリテーション」の研究
片麻痺歩行測定会
脳卒中などで脳の片側が損傷し、身体の左右どちらかに運動麻痺の症状をもつ片麻痺の方を対象とした歩行測定会を定期的に実施。各種センサーを取り付け、歩行に関わるデータを可視化します。歩行器ロボットを装着した分析も行うこと、「個別化リハビリテーション」につなげています。ご協力いただいた方には、リハビリのアドバイスを含めたフィードバックを提供。この他、高齢者やがんを患っている方などを対象とした測定会も行い、得られたデータをさまざまな研究に活用しています。

各種センサーによって可視化された歩行データ

測定会の様子
ロボット技術を用いたリハビリ支援
歩行支援ロボットの開発を通じて、個別性の高いリハビリテーション支援を実現することが目標です。ロボットによる運動支援の効果を最大限に引き出すために、感覚と運動の統合を促すロボットアシストの制御パラメータを自動で調整したり、介入効果を“見える化”したりするAI解析システムの構築も進行中。さらに、こうした技術を活用した教育システムの整備にも力を入れており、将来の高度専門職人材の育成にも貢献しています。

足裏や脚の各位置にセンサーを取り付け、重心や負荷のかかっている部位を可視化。

腰に装着した歩行アシスト機器は、振り出す力や蹴り上げる力を補助しています。
卒業生のホンネVoice

理学療法学科 卒業生(2026年4月卒業・大学院生涯健康科学研究科)
オープンキャンパスで歩行支援ロボットに出会い、授業で森先生の研究内容、考え方や人柄に触れて深く共感しました。その分野をもっと探求できると考え、森先生のゼミに入りました。当初は、目に見えないもの(力)を理解するのは難しいことだと思っていましたが、一つ一つ丁寧に自分たちの目で確かめていく工程は興味深いことばかり。三次元動作解析装置を使ったデータ収集や解析方法、脳卒中片麻痺歩行や歩行に関する知識をたくさん身につけることができ、より関心も高まりました。卒業研究でも、股関節の動きに着目して研究を進め、大学院ではさらに患者さんの機能回復に貢献できる、臨床に役立つ研究を進めていきたいと思っています。
先生からのメッセージ

理学療法は「人の動き」を科学的に理解し、支援する非常に魅力的な分野です。近年はAIやロボットなどの技術が急速に発展しており、理学療法士にも新しい視点やスキルが求められます。大切なのはまず「人の役に立ちたい」という気持ちとやる気です。 本学では、患者さんに寄り添いながらも、最新の技術を活用し、高度医療を実践できる力を養うことができます。自分の興味を大切にしながら、新しいことに挑戦したい人には非常に良い環境です。
