認定看護師・特定看護師
としてのやりがい。
I.M
私は今、感染制御部で感染管理認定看護師として活動しています。役割は、患者さんやご家族、院内の職員などを感染症から守ることです。週に1回、2部署ずつ病棟をラウンドして感染対策がきちんとできているかをチェックしたり、点滴や尿道カテーテルの管理体制を確認したりして、改善点があれば病棟にフィードバックします。あとは、耐性菌などの検出状況を把握して、1病棟でまとまって検出されたりすれば伝播かどうかを調べて、伝播であれば介入したり。今だったら新型コロナウイルスやMRSA感染症が流行っていますよね。Tさんは、今どんな活動をされているんですか?
T.K
僕は重症患者管理特定看護師という立場で、GICU(総合集中治療室)に所属しています。「特定看護師」というのは、本来医師が行う医療行為の一部(特定行為)を看護師が自らの判断で行える資格で、たとえば僕の部署だと動脈採血や人工呼吸器の設定、薬剤の調整などが可能です。日中は医師が常駐しているので、僕が特定行為を行うタイミングは少ないのですが、これからバランスよく実践して少しずつ経験値を増やしていきたいですね。感染管理認定看護師の大変さはどんなところですか?
I.M
そうですね、いつどんな感染症が発生するか分からないので、いろんな部署から「こういう時はどうすればいいですか?」といった相談がきて、個々の対応に追われてしまうことがあるんです。対応に困った時に相談できる環境にはあるのですが、菌やウイルスは目に見えないものですし、感染する状況によってはイレギュラーなこともあるので、自分が介入した対応に問題はなかったかどうか時々不安になったりもします。ただ、専門的な立場になると大変なことが多いですが、その分やりがいも大きいですよね。
T.K
おっしゃる通りです。僕は医者や周囲のスタッフから特定行為を依頼された際、自分の考えた通りに実践して結果につながった時にやりがいを感じます。たとえば、夜間当直医がいない夜勤の日に、方針を共有して人工呼吸器の設定や薬剤の調整がうまくいった時など。もちろん患者さんの安全を確保しつつタイムリーに行うことが大前提ですが。周りから「助かった。ありがとう!」という言葉をもらえると本当にうれしいですね。