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クロストーク 04

認定看護師×専門看護師

対談者

認定看護師

T.N

専門看護師

O.T

以上に良い
看護がしたくて。

O.T

母性看護専門看護師は、周産期を中心にいろんな職種の方と協働しながら、あらゆるライフステージの女性とご家族へ高い水準で効率的に看護ケアが行える資格です。主な役割は、妊娠中から産後の母子援助をはじめ、女性の一生にわたる健康へのサポート。私は今、別の部署で看護師教育をメインに活動する立場にいるのですが、長年、母性看護の専門看護師として活動を続けてきました。ところで、Tさんの専門領域は?

T.N

私は今、皮膚・排泄ケア認定看護師として褥瘡対策管理室に所属しています。皮膚・排泄ケアの認定看護師は、床ずれや創傷、ストーマ(人工肛門・人口膀胱)の造設や失禁などに伴って起こるトラブルに対して、専門的な技術を使って質の高い看護を提供する専門家です。病棟から褥瘡対策についての要請があれば現場に出向いて「こうやったらいいですよ」と実践して見せたり、リスクのある患者さんに対しては、予防になるケアを病棟看護師さんたちと一緒に考えて実践できるようサポートしたりもします。院内を組織横断的に活動している、ちょっと特殊な立場かもしれませんね。

O.T

そうなんですね。その特殊な資格を取ろうと思ったきっかけは?私の場合は、ずっと長い間助産師として活動してきて自分の看護に何の疑問も持っていなかったんだけど、ある時、病院間の異動で助産師の業務から離れた期間があって。「私は助産師として十分な看護ができていただろうか」と改めて考えるきっかけになったんです。「もっといい看護がしたい」という理由から、もう一度助産師として働く機会をいただきました。学習意欲が高まった私は、病院の資格支援制度を利用して専門看護師をめざすことに。そこから2年間、働きながら大学院に通って無事資格を取得しました。実習や研究の期間は一時的に休職扱いにしていただきましたが、こういう制度が整っているのはありがたいよね。

T.N

そうですね。認定看護師の資格も働きながら最短1年で取得できるんです。研修を出張扱いにしてもらえるのは本当にありがたいですね。私が皮膚・排泄ケアの認定看護師資格を取ろうと思ったのは、入職時に配属された泌尿器科でストーマ造設の患者さんを受け持っていて、入院時から手術、ストーマ指導、退院まで関わったことがきっかけです。不安を抱える患者さんに対して、排泄障害の苦痛を少しでも軽減できるサポートができたらと強く感じていた中で、先輩の排泄ケア認定看護師に出会ったことも大きなきっかけになったと思います。

者さんとの
信頼関係を築く。

O.T

すばらしいですね。排泄ケアというのは大変なお仕事だけど、患者さんにとっては救世主のような存在だから。資格を取るために学びを深めることって重要だよね。私はこれまで助産師として十分できていると思っていましたが、まだまだできてないことがたくさんあったことに気づかされました。また、専門看護師になったことで確実に看護の幅が広がったんです。たとえば、基礎疾患やリスクを抱える患者さんをずっと通して看られるようになりました。赤ちゃんを出産して退院したらそこで終わりではなく、その後のトラブルや心のケアなんかも相談に乗ってあげられるんです。患者さんと家族のような信頼関係を築いていける喜びややりがいがありますね。

T.N

わかります!私の担当領域は命に関わることは少ないのですが、患者さんの生活に直結する重要な領域なので、患者さんと信頼関係を築くことはすごく大事だと感じます。患者さんとコミュニケーションをとりながら、何が必要か、何ができるかを一緒に考えることを常に心がけています。また、専門の知識や技術を院内の看護師や医療スタッフに伝えて、皮膚・排泄ケアを実践するお手本となれるよう意識しています。そのためにも、日々進化するケア用品やケア方法、診療報酬やガイドラインなどの内容を把握したり、所属学会で多岐にわたる情報をインプットしたり、領域が広いので常に学び続ける大変さもありますが、それが醍醐味でもあるんです。

O.T

醍醐味って言えちゃうところ、すごい!私は、母性看護の専門看護師になって大変だと思ったことは一度もありません。資格を取得しても、自分一人の力ですべての患者さんにすばらしいケアはできませんから、普段からいろんな職種の方々に力を借りながら、どうすれば寄り添った看護ができるのかを一緒に考える。これこそがやりがいなんです。管理職になってからは、患者さんに直接ケアする機会こそ減ってしまいましたが、今は助産師がやりがいを持って働ける環境を整えたり、妊産褥婦さんに満足していただける看護が提供できるよう院内のシステム構築を行っていて、私が提案した助産外来や乳腺外来がもうすぐ立ち上がる予定です。Tさんはどんな時にやりがいを感じますか?

様なニーズに
応えるために・・・

T.N

私は現場で皮膚・排泄ケアの相談があった際に実践・指導を行って、それが解決に至った喜びを患者さんや看護師と分かち合う瞬間でしょうか。介入したことが患者さんのQOLにつながった時、看護師の知識・技術向上が成果として褥瘡の発生率の低下などデータに反映された時には、この上ないやりがいを感じます。今の目標は、自分の立場でできることを常に考えて、常にニーズに応じた臨機応変の対応を徹底すること、後輩の育成を意識しながら、皮膚・排泄ケア領域の楽しさややりがいを実践の中で伝えていくこと。また、地域密着型の急性期病院として、院内だけにとどまらず在宅で過ごす患者さんと、支える医療従事者へのサポートを行うなど、地域連携を促進していきたいと思っています。Oさんの今後の目標って何ですか?

O.T

今の目標は“院内助産”ですね。院内の助産院のようなイメージで、正常分娩を助産師が中心となって行える環境を整えたいんです。妊婦さんのニーズも多様化しているのでそれに応えたいですし、何よりも助産師が生き生きと楽しく働けるので、想像するだけでワクワクしませんか?