今以上に良い
看護がしたくて。
O.T
母性看護専門看護師は、周産期を中心にいろんな職種の方と協働しながら、あらゆるライフステージの女性とご家族へ高い水準で効率的に看護ケアが行える資格です。主な役割は、妊娠中から産後の母子援助をはじめ、女性の一生にわたる健康へのサポート。私は今、別の部署で看護師教育をメインに活動する立場にいるのですが、長年、母性看護の専門看護師として活動を続けてきました。ところで、Tさんの専門領域は?
T.N
私は今、皮膚・排泄ケア認定看護師として褥瘡対策管理室に所属しています。皮膚・排泄ケアの認定看護師は、床ずれや創傷、ストーマ(人工肛門・人口膀胱)の造設や失禁などに伴って起こるトラブルに対して、専門的な技術を使って質の高い看護を提供する専門家です。病棟から褥瘡対策についての要請があれば現場に出向いて「こうやったらいいですよ」と実践して見せたり、リスクのある患者さんに対しては、予防になるケアを病棟看護師さんたちと一緒に考えて実践できるようサポートしたりもします。院内を組織横断的に活動している、ちょっと特殊な立場かもしれませんね。
O.T
そうなんですね。その特殊な資格を取ろうと思ったきっかけは?私の場合は、ずっと長い間助産師として活動してきて自分の看護に何の疑問も持っていなかったんだけど、ある時、病院間の異動で助産師の業務から離れた期間があって。「私は助産師として十分な看護ができていただろうか」と改めて考えるきっかけになったんです。「もっといい看護がしたい」という理由から、もう一度助産師として働く機会をいただきました。学習意欲が高まった私は、病院の資格支援制度を利用して専門看護師をめざすことに。そこから2年間、働きながら大学院に通って無事資格を取得しました。実習や研究の期間は一時的に休職扱いにしていただきましたが、こういう制度が整っているのはありがたいよね。
T.N
そうですね。認定看護師の資格も働きながら最短1年で取得できるんです。研修を出張扱いにしてもらえるのは本当にありがたいですね。私が皮膚・排泄ケアの認定看護師資格を取ろうと思ったのは、入職時に配属された泌尿器科でストーマ造設の患者さんを受け持っていて、入院時から手術、ストーマ指導、退院まで関わったことがきっかけです。不安を抱える患者さんに対して、排泄障害の苦痛を少しでも軽減できるサポートができたらと強く感じていた中で、先輩の排泄ケア認定看護師に出会ったことも大きなきっかけになったと思います。