大学院講座第７３９講開催のお知らせ

大学院講座第739講を下記により開催いたしますので、奮ってご参加ください。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　記

日 時 ： 平成29年6月5日（月）17：30～
場 所 ： 総合医療センター　南館2階　臨床講堂
題 目 ： ニューラルオシレーションと精神病
講 師 ： 平野　羊嗣 先生（九州大学大学院医学研究院 精神病態医学　助教）
司 会 ： 木下　利彦 教授（精神神経科学講座）

（大学院生への教育効果）
脳の機能を評価する方法として、脳波をはじめとした神経生理学的なアプローチ
は非常に有用です。その特徴として時間分解能の速さ、生体への侵襲の少なさ
などが挙げられますが、近年では非常に高周波（γ帯域：30-100Hz）の脳波、
すなわち高周波の大脳皮質活動に注目が集まっています。γ帯域の皮質活動は、
大脳皮質の情報処理において非常に重要な役割を果たしており、統合失調症と
いった精神疾患でγ帯域皮質活動の同期性（オシレーション）が障害されている
との報告が次々となされています。この同期性の障害は、統合失調症に伴うニューロン
の協調活動、知覚処理、認知機能の障害を反映している可能性があり、病態解明が
まだ十分とは言えない統合失調症に関して、有用なバイオマーカーになり得る可能性
があります。今回招聘する平野羊嗣先生はこの分野の第一人者であり、本講座を聴講する
ことによって、γ帯域皮質活動の生理学的意義から統合失調症への臨床応用まで幅広い
知識を身につけることが可能になると思われ、各科の先生方には非常に有益な知識を
もたらしてくれるものと考えます。