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教職員 2016年10月27日

2016.11.18大学院企画セミナー開催のお知らせ

2016.11.18大学院企画セミナー開催のお知らせ

大学院企画セミナー開催の件

大学院企画セミナーを下記により開催いたしますので、奮ってご参加ください。
「平成28年度入学者」および「平成27年度以前の入学者で必修講義の単位を昨年度までに取得できていない方」は、平成28年度の大学院企画セミナー2回のうち1回以上の出席が義務付けられています。
受講の際は教育要項巻末の履修報告書A-2を持参し、講義開始時に提出してください。なお、講義開始後20分以降は履修報告書を受け付けませんので、ご注意ください。



日 時 : 平成28年11月18日(金)17:30 ~

場 所 : 枚方学舎1階 加多乃講堂

題 目 : 睡眠・覚醒の謎に挑む

講 師 : 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS) 機構長
柳沢 正史 先生

司 会 : 小早川 令子 特命教授(神経機能部門)

【講師紹介】
柳沢正史先生は筑波大学大学院医学研究科博士課程を修了後、筑波大学基礎医学系薬理学講師、京都大学医学部第一薬理学講師、テキサス大学サウスウェスタン医学センター教授兼ハワードヒューズ医学研究所研究員を歴任され、2001年に科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業「柳沢オーファン受容体プロジェクト」総括責任者、2010年に内閣府の最先端研究開発支援プログラム(FIRST)中心研究者および筑波大学教授に就任されました。
その後、2012年には文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に採択され新設された筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構長に就任され、現在もご活躍されています。
また、紫綬褒章など権威ある賞を数多く受賞されております。
 生理学・薬理学・神経科学分野で大きな業績を残され、また現在もご活躍中の柳沢先生のお話を学内で聴講することができるまたとない機会ですので、多くの方のご参加をお待ちしています。

【講演の内容】
睡眠・覚醒は中枢神経系を持つ動物種に普遍的な現象であるが、その制御メカニズムや眠気(睡眠圧)の神経科学的本態は、いまだ謎に包まれている。覚醒系を司る神経ペプチド「オレキシン」の十数年にわたる研究により新しい睡眠学が展開され、近年では睡眠・覚醒のスイッチングを実行する神経回路や伝達物質が少しずつ解明されつつある。
昨年、内因性覚醒系を特異的に抑える新しいタイプの不眠症治療薬として、オレキシン受容体拮抗薬が上市された。また、覚醒障害ナルコレプシーの根本病因がオレキシンの欠乏であることが判明しており、オレキシン受容体作動薬はナルコレプシーの病因治療薬、さらには種々の原因による過剰な眠気を抑制する医薬となることが期待されている。
一方、睡眠覚醒調節の根本的な原理、つまり「眠気」とは一体何なのか、またそもそもなぜ睡眠が必要なのか等、睡眠学の基本課題は全く明らかになっていない。私たちはこのブラックボックスの本質に迫るべく、ランダムな突然変異を誘発したマウスを8,000匹以上作成し、脳波測定により睡眠覚醒異常を示す少数のマウスを選別して原因遺伝子変異を同定するという探索的アプローチを行なってきた。このフォワード・ジェネティクス研究の進展により、睡眠覚醒制御メカニズムの中核を担うと考えられる複数の遺伝子の同定に成功し、現在その機能解析を進めている。
本講演では、これらの研究を含め、文科省WPIプログラムのもと筑波大学に発足し、睡眠の基礎研究に特化した新しい研究拠点、国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)における研究活動についてご紹介する。

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