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理事長・学長挨拶

目指すはOnly one、そしてNumber oneの研究所。

光免疫療法を、第5のがん標準治療へ


 1928年に生まれた本学は、創立から幾多の危機を乗り越えて90年余りの歴史を紡ぐまでに成長しました。そうした先人たちの歩みを引き継ぎ、本学を100周年へ、そして世界へ通じる大学へと発展させるために必要なものは何か。それは私が長年に渡って温め続け、その実現に向けて努力し続けてきた夢、“Only oneかつNumber one”といえる研究所の設置です。「関西医科大学附属光免疫医学研究所」(以下「本研究所」)が今、まさに姿を現そうとしています。

 がん細胞に結合する薬を投与し、人体に無害な近赤外光を照射することでがんが破壊される。しかも、破壊されたがん細胞が新たな免疫のスイッチを入れ、再発・転移を防ぐ──

 そんな光免疫療法は臨床応用の第一歩を踏み出しましたが、承認されたのは転移を認めない進行・再発の頭頸部がんの一部と、まだまだ小さな第一歩。本学は、一日も早く光免疫療法が標準治療として多くのがん患者さんに適用される日を目指し、研究・臨床応用への歩みを加速させるべく、本研究所を設置いたします。

 本研究所は、光免疫療法の生みの親である小林久隆先生(米国NIH主任研究員)を所長として招聘し、3つの研究部門に約30人の研究スタッフを揃える予定です。また、研究所として枚方キャンパス開学以来確保してきた将来スペースを当て、最新の研究機器を導入します。さらに、2021年4月から稼働している本学附属病院光免疫療法センターと隣接している地の利を活かし、基礎研究から臨床研究までフルサポートできる態勢を整えます。他にも、国内他機関と連携するための結節点・ハブ機能も担い、我が国における光免疫療法の研究拠点として運用される予定です。

 このように本研究所が、光免疫療法の日本の研究拠点として、大きな役割を担うことを確信しています。

学校法人関西医科大学理事長 山下敏夫


光免疫医学研究所に期待を寄せて


 2022年4月に開設予定の関西医科大学附属光免疫医学研究所は、光免疫医学の国内で初めての研究機関となり、基礎から臨床へのトランスレーショナルな研究の拠点となります。すでに報道等で紹介されている光免疫療法(Photoimmunotherapy, PIT)は、光線力学療法と免疫療法を組み合わせた新しい治療法で、従来の手術、放射線、化学療法、免疫療法に加え、第5のがん治療として注目されています。がん細胞に特異的に結合する抗体薬剤に光感受性物質を結合させ体内に注入し、体内外から近赤外線を照射することで、その細胞膜を破壊し癌細胞を死滅させる。それだけではなく放出された癌特異的抗原に対して免疫反応が惹起されるため、原発巣以外の転移巣や再発癌に対しても作用が期待できる治療法です。すでに一部の施設で切除不能または局所再発の頭頸部癌に対して臨床応用が開始されています。

 開発者の小林久隆教授(米国NIH主任研究員)は、1987年に京都大学医学部を卒業され、2004年から現職に就任。2011年11月6月にNature Medicine誌に研究成果を発表し、その翌年2012年の米国オバマ元大統領の一般教書演説でも紹介され、一躍世界的に注目されるようになりました。小林教授はこの治療法を日本でも展開すること、合わせて他のがん細胞(頭頸部癌以外のがん)にも効果のある薬剤の開発を進めたいとの意志から、本研究所を新拠点に研究所所長に着任される予定です。

 すでに設置準備室が始動し、光免疫部門に花岡宏史研究所教授が着任し、研究所の設備、整備に当たっていただいています。他に免疫部門やいくつかの部門を設置予定で、総勢30名程度の規模で研究所が開所する予定です。研究所の規模は、枚方メイン学舎内に約1700m2のスペースを確保し、動物実験施設、基礎研究施設、研究者の居室からなります。

 一方、患者さんへの治療施設として、本年4月から附属病院内に光免疫療法センターが設置されました。当面は頭頸部がんを対象に、本学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の岩井 大教授を中心とした医療チームが治療に当たります。今後の薬剤の開発によって、肺がん、大腸がん、乳がんなど他のがんへの応用も始まるものと思います。

 副作用の少ない夢のある新しいがん治療に向けて、本研究所の意義は大きく、多くの患者さんや家族から大きな期待が寄せられています。

学校法人関西医科大学学長 友田幸一

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