MENU

学部・大学院

2020年度講演記録集一覧

大学院企画セミナー(第1回~第2回)

第1回

日 時:令和2年10月16日(金)17時30分から
場 所:枚方学舎1階 加多乃講堂
題 目:「がんの起源について」
講 師:小川 誠司 先生    
    (京都大学大学院医学研究科腫瘍生物学 教授)
司 会: 日笠 幸一郎 学長特命教授 (附属生命医学研究所ゲノム解析部門)

講演要旨

 がんは単一の起源となる細胞とその子孫の細胞集団が正常組織の細胞集団の中で陽性選択をうけ、さらには生体の恒常性を逸脱して増殖するに至った一群のクローナルな細胞集団によって生ずる疾患群である。この選択の過程においては、後天的に獲得される体細胞変異と変異を獲得した細胞を選択する細胞・組織環境が本質的に重要な役割を担っていることが示されている。診断時にはしばしば数千億個に達するがん細胞集団がその初期にどのようにして発生するのか、それはいつから生ずるのか、また、それが環境やいわゆる発がんリスクによってどのように影響されるのかについては、殆ど理解が進んでいない。一方、近年、遺伝学的な解析技術の格段の進歩によって、こうしたがんの初期発生過程におけるクローン選択に関する知見が明らかにされつつある。本講演では、喫煙や飲酒に関連した食道扁平上皮がんと慢性炎症に起因する炎症関連大腸がんに着目して、がんの初期発生過程に関する最新の知見を紹介したい。

第2回

日 時:令和2年11月6日(金)17時30分から
場 所:枚方学舎1階 加多乃講堂
題 目:「新規アプローチを用いた希少疾患ゲノム解析」
講 師:松本 直通 先生    
     (横浜市立大学大学院医学研究科遺伝学 教授)
司 会: 日笠 幸一郎 学長特命教授 (附属生命医学研究所ゲノム解析部門)

講演要旨

希少疾患における遺伝的原因解明は、次世代シーケンサーの登場とともに長足の進歩を遂げた。我々も2009年頃より全エクソーム解析(WES)を開始、これまでに独立した7773例の解析で2745例に原因を見出した(35.5%)。一方で64.5%もの未解決症例をどの様に解決するのかは喫緊の課題である。本講演では、未解決例のゲノム解析における新たなアプローチとその成果について紹介する。

ページの先頭へ