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学部・大学院

研究情報を更新しました

山縣助教の論文が国際学術誌「Journal of Biomechanics」に受理されました

Relation between the kinematic synergy controlling swing foot and visual exploration during obstacle crossing
(障害物を跨ぐ際の遊脚足部を制御する運動学シナジーと視覚探索との関連)

Journal of Biomechanics
Yamagata M, Nagai R, Morihiro K, NonakaT.


研究の概要
背景:障害物をまたぐ際は、障害物の高さや障害物との距離感などを把握するための視覚探索と、障害物に躓かないための身体の協調的な運動が必要となりますが、これまで視覚探索と身体の協調性との関連は不明でした。
方法:健常若年者を対象とし、歩行中に高さ8cmの障害物を跨ぐ動作を行ってもらいました。特殊な装置を利用して、眼球の動きから視覚の探索方策を詳細に評価し、さらに身体の協調性を数値化して動作の安定性を評価しました。
結果:視覚探索と身体の協調性との関係を調査した結果、障害物接近中に障害物を長く見ている対象者ほど、障害物を跨ぐ最中の身体の協調性が低下し、動作の安定性が低下していることが明らかになりました。
結論:障害物に躓かないためには十分に視覚情報を収集することは大事ですが、視覚情報を長時間取り入れることが単純に障害物またぎ動作の安定性には繋がらないことが明らかになりました。動作を遂行する際、視覚探索と動作の安定性の間にはTrade-offの関係性があるかもしれません。以上より、患者さんの動作指導や動作練習をする際には、動作中の身体の動きだけではなく視覚情報の取り入れ方も評価する必要がある可能性が示されました。

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