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学部・大学院

物理学

物理学は自然現象の背後にある根本原理を理解する学問であり、医学・生命科学を学ぶ上でも不可欠な基礎である。また、物理現象は医療や生命科学研究などで使用される機器や手法の基本原理をも成している。物理学教室では、こうした認識に立って、教養系の物理学の講義、セミナーおよび物理学実験を担当し、学び、手を動かし、考える、という自然科学へのアプローチを身に着けられるよう教育活動を行っている。

生命現象を物理科学の立脚点に立って理解する

 物理学教室のテーマは、「生命とは何か」の解明です。もう少し具体的に言えば、「生命現象を物理科学の立脚点に立って理解する」ことです。
 生命現象はどのような原理から生じ、また特に微視的にどのような様相を呈しているかは、近代科学の研究の課題の1つであり、物理学に基づいたアプローチが不可欠です。物理学教室では、生命現象をその根本から考えるための実験的研究や生命現象を様々な視点から計測・観察するための新しい研究手法の開発を主な研究課題としています。また、産学官連携による共同研究にも積極的に取り組んでいます。
 物理現象は医療や生命科学研究などで使用される機器や手法の基本原理となっています。こうした認識に立ち、教養系の物理学の講義、セミナーおよび物理学実験を担当し、学び、手を動かし、考える、という自然科学へのアプローチを身に着けられるよう教育活動を行うとともに、医学部で必要な物理への窓口として、医学物理の諸分野のことにも関心を持ち続けています。

現在の研究テーマ

現在の研究テーマ

放射光を利用したバイオイメージングとXAFS

  試料にX線を当てると、試料を構成している原子や分子によりX線は吸収されます。X線の吸収量の違いを画像化したものがX線顕微鏡です。X線の吸収の様子を、当てるX線のエネルギーを変えながら詳細に調べると、配位数や原子間距離など調べたい原子のまわりの局所構造や、原子価や電子状態など原子の化学状態に関する情報を得ることができます。このX線吸収微細構造(XAFS)とX線顕微鏡を用い、細胞中の物質輸送や細胞外代謝など未解明な生命現象の機構を原子・分子レベルで調べることを目指しています。
放射光を光源とした結像型透過軟X線顕微鏡と走査型透過軟X線顕微鏡を用い、細胞径1μm以下の微細シアノバクテリア Synechococcus sp.を、化学固定や染色や薄片化などの試料調整を行わず観察し、他の手法では直接観察することができない細胞外代謝物の観察とSynechococcussp. 1個が含有する炭素量の定量に成功しました。この代謝物は京阪神地区の水がめである琵琶湖の水質悪化の元凶ともされる難分解性有機物であり、その量を見積もることができる道筋を示すことができました。
琵琶湖の水がガビ臭くなる元凶物質を産生する微細シアノバクテリアを結像型透過軟X線顕微鏡で観察し、その構造上の特徴から再同定の必要性を見出し、シアノバクテリアの専門家との共同研究により新種であることを示すことができました。
今後も、軟X線顕微鏡によるイメージングとX線吸収分光法を組み合わせた新しいバイオイメージング研究を進めていきます。
連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
関西医科大学 物理学教室
電話 072-804-2357(内線2255)

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