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学部・大学院

こども看護学領域

こども主体の、ケアとキュアを融合した高度な看護の実践へ

■領域概要

 学部では、こどもの発達段階や健康状態に関わりなく、こども自身がもつ力に着目し、こどもを主体とした看護援助が実践できるように支援します。特に演習では、様々な状況にあるこどもへの適切な技術が習得できるよう、高機能シミュレータ等を活用した授業を展開し、体験的に学べるよう取り組んでいます。

 大学院博士前期課程は、プライマリケア
を専門領域とする小児看護分野の高度実践看
護師教育課程(専門看護師38単位)として、
2019年2月に日本看護系大学協議会より認定
されました。また、益々需要が高まることが
予測されるクリニック、外来、病児保育施設、
特別支援学校・学級等での、専門性の高いプ
ライマリヘルスケアを担うこどもに特化した
ナースプラクティショナー教育課程として、
日本看護系大学協議会への申請を視野に入れ
た科目を開講しています。多様な理論やケア
提供の方法論を学修後に高度な実践能力獲得を
目的とし、様々なシナリオを用いたシミュレー
ション教育を実施します。その後に、こども
専門病院やクリニックと連携した実習を展開
します。

 大学院博士後期課程は、人の発達を基軸とした生涯発達看護分野として位置づけられています。発達と生活・健康と関連する各理論や研究動向を学び、特にこどものセルフケア能力に着目し、こどもが主体的に医療に参加し、また、生活ができることを目的としたプログラム開発等の研究指導を行います。


■学習支援ツール紹介

こどもへの検査説明ツール

検査・手術に臨むこどもたちの不安の軽減や、準備性を高めるためのこども用のツールを用いて授業します。

こども用の医療物品

こどもが安心して治療を受けられるように工夫された様々な医療物品を使って、授業を展開します。

小児用シミュレーター

実習前に症例プログラムを活用し、実習で円滑な看護を実践できるように小児サイズのシミュレーターを利用して授業します。実習中および実習後は、学生自身の看護技術のスキルアップや復習・確認のために活用することができます。

小児モデル人形

こどもの発達段階に応じたケアを行うことができるように、新生児期・乳児期・幼児期・学童期のモデル人形を用いて授業します。
■こどもの看護に関する事例検討会

 近隣施設の看護職・医療職、大学院生や教員に呼びかけ、こどもとその家族への看護に関する事例検討会を2ヶ月に1回のペースで行っています。これまで「複雑な医療的ケアを必要とするこども・家族への支援」や「NICUからの在宅支援」「大学病院NICUと市中病院との連携」をテーマに行い、病院や訪問看護ステーションの看護師のほか、作業療法士など様々な職種の方にご参加いただいております。

 現場で働く医療職の方々は、目の前のこどもに対して「自分たちはもっと色んなことができたのではないか。」という思いを抱くことも多いのではないでしょうか。事例提供者からの事例について、それぞれの立場から考えを出しあい、お互いの意見を尊重しあいながら、できなかったことだけではなく、十分にこどもと家族に関わることができている事にも目を向け、次の実践に活かそうと思うことができるような検討会を目指しています。こどもの支援に携わる方であればどなたでもご参加いただけますので、興味のある方は、下記まで是非お問い合わせください。

こども看護学事例検討会お問い合わせ先:child_bousai@yahoo.co.jp

加藤令子教授

 こどもは生まれながらに“生きる力”を持っており、その力を活かし生活ができる環境が重要です。しかし、こどもの生活や健康、成長発達に影響を与える虐待、経済格差、災害等の様々な状況が生じています。その現状を理解しながら、一人ひとりのこどもがその子らしく成長発達できるための支援とは何か、また、こども自身のもつ力を活かした支援とは何かについて、共に考えましょう。

 私は、東日本大震災前から、障がいのあるこどもの自然災害の備えに関わる研究を続けています。その研究結果からわかったことは、どのような重度の障がいがあるこどもでも、かかわる者がこどもには力があるという認識を持ちかかわることで、こどもは自分がもつ力を発揮するということです。

*詳細は、researchmapをご覧ください。

大橋敦教授

 私は小児科医なので、常に周りにこどもがいる環境で仕事をしています。小児科医になって25年経ちますが、いまだにこどもが持つ「生きる力」の強さには驚かされます。このこども逹の「生きる力」を、後ろから邪魔をしないように少し支えていくのが小児医療と考えています。しかし、具体的にどのように接すればこどもの持つ力を最大限に発揮できるか、まだ模索しています。こどもは日々成長するので、変化が大きく、また個人差が大きいことも接する際のむずかしさの一因になっているかと思います。こども逹のためにやるべきことはたくさんあります。すべてのこども逹が元気に、笑顔になれるように、一緒に考えていきませんか。

 資格:小児科専門医、周産期(新生児)専門医、新生児蘇生法インストラクター

*詳細は、researchmapをご覧ください。

古藤雄大講師

 私は疾患や障害、特性を持ちつつ生活しているこどもの研究をしています。様々な特性に合わせた支援を考えることは病院内だけではなく、在宅や学校で生活する人の支援にもつながります。私は、支援をする、という一方通行の看護ではなく、共に生きていくことを大切にしています。

 また、特性を持っているのは看護の対象となる人だけではなく、私も皆さんも、様々な特性を持っています。多様な人がいるから、色々なことに気が付き、新たな視野で支えあうことができるのだと思います。多様性を尊重できる看護職へ、一緒に学びながら成長していきましょう。

 

*詳細は、researchmapをご覧ください。

石浦光世講師

 こどもの生活は遊びそのものです。それは、健康なこどもも病気や障がいがあっても同じです。また、生まれた時からのお母さん、お父さんをはじめ家族とのつながりもかけがえのないものです。そのような当たり前の生活が、健康状態や環境に影響されず、どのような状況にあってもどこにいても守られるようこどもと家族を支える専門家として寄り添い、看守りながら、一緒により良い生活を整えていきたいと思っています。

小児看護専門看護師として、発達に遅れのある子どもへの発達支援と家族支援のあり方、こどもが遊びに参加でき、保育園・幼稚園や学校に安全に安心して通えるための看護、さまざまな専門職との連携/協働に関心をもち、取り組んでいます。こどもがいきいきと過ごし、ご両親が子育てを楽しいと思えるよう、看護師ができることを一緒に増やしていきましょう。

 

*詳細は、researchmapをご覧ください。

田中雅美助教

 看護師は、すべてのこどもたちが、重度の障がいがあったり、困難な状況下にあったりしても、自ら望んだ場所で、楽しく豊な生活が営めるように支援をしていく必要があります。その際に必要なのが、支援者たちがこどもや家族たちの「主体性」を奪っていないだろうか、こどもや家族の「主体化」を重視するあまり、本来の問題からずれていってないだろうか、という視点です。この両方の視点を維持しながら、こどもを中心とした支援のあり方を考えていきたいと思っています。
※取り組んでいる研究
代理意思決定後の継続支援
医療的ケア児と家族の支援
障がいのあるこどもを生み育てる経験の現象学的記述

 

*詳細は、researchmapをご覧ください。

金恵淑助教

 私は小児科病棟、小児科クリニックでの臨床経験を経て、主に小児がんや慢性疾患を抱えたこどもと関わってきました。その臨床経験から、こどもが病気と付き合いながらこどもらしく過ごし成長発達できるような支援の在り方について関心を持っています。こどもが本来持っている力、ご両親、保護者が持っている力を引き出しこどもが笑って過ごせるような環境を整えていきたいと考えております。病気と付き合いながらもこどもが本来持っている力を引き出し、その子らしく成長発達できるような看護支援の在り方について一緒に考えていきましょう。
■研究成果(これまでに開発した“障がいのあるこどもが災害に備える”ための3ツール)
  • 「特別支援学校用災害シミュレーションパッケージ」
    研究代表者:加藤令子, 医療を必要とする災害の備え, 茨城県立医療大学地域貢献研究, 平成20〜21年度
  • 「災害セルフケアパッケージ‐肢体不自由児用‐」
    研究代表者:加藤令子, 肢体不自由児が災害の備えへのセルフケア能力を高めるためのパッケージ開発, 文部科学研究費補助金 基盤研究(C), 課題番号:23593328, 平成23〜25年度.
  • 「障がいのある子どもの災害備えパッケージ」
    研究代表者:加藤令子, 障がいのある子どもが自然災害に備えセルフケア能力を高めるための支援構築, 科学研究費助成事業(科学研究費補助金) 基盤研究(B), 課題番号:15H05088, 平成27〜令和元年度. 



■教員の研究テーマ
  •  研究代表者:加藤令子
障がい等のあるこどもが自然災害に備えるセルフケア獲得・定着を可能とするツール開発
2020~2024年度日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 
 
  • 研究代表者:古藤雄大
副腎白質ジストロフィー患者の特異的QOL尺度の開発と応用
2022〜2024年度日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
 
  • 研究代表者:石浦光世
心身に障害のある子どもの力を育む看護師の多職種チームによる発達支援とそのプロセス
2019〜2023年度日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援
 
  • 研究代表者:田中雅美
重症心身障害児の親が代理意思決定をしたあとの経験の構造化
2019~2021年度日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)


■大学院の研究紹介
  •  博士前期課程(高度実践看護師コース)
研究テーマ
令和元年度修了生
・「養育者の医療的ケアの捉え方-子どもがNICUに入院中の時期に焦点を当てて-」
 
令和3年度修了生
・「NICU 病棟で重篤な疾患の子どもをケアしている看護師の想い」
・「思春期にある AYA 世代がん患者の意思表出に対する看護支援」
 
卒業後の進路
・保育園
・こども病院
・小児科クリニック
 
  • 博士後期課程
令和2年度
「排泄の自立に向かう幼児の学ぶ力を育む看護介入プログラム開発」

卒業後の進路
・認定看護師教育課程(小児プライマリケア分野)

連絡先

■看護学部
〒573-1004 枚方市新町2-2-2
関西医科大学 看護学部
TEL 072-804-0101(代表)


■看護学研究科
〒573-1004 大阪府枚方市新町2-2-2
関西医科大学 大学院 看護学研究科
TEL 072-804-0205、072-804-0207(事務室直通)
E-mail nursing@hirakata.kmu.ac.jp (事務室代表)

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