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学部・大学院

腎泌尿器外科学

 泌尿器科は、腎臓、尿管、膀胱などの尿路、精巣や前立腺などの男性生殖器、そして副腎などの疾患を、主に手術で治療する、外科系の臨床部門です。泌尿器科では古くから内視鏡手術が開発され、現在では、全手術の約半数は尿路内視鏡手術で行われています。1990年以降は腹腔鏡手術も開発され、泌尿器科は、外科系の臨床科の中でも低侵襲治療を最も推進してきた科といえるでしょう。
私たち関西医科大学腎泌尿器外科は、我が国で最も早く腹腔鏡手術を始めた泌尿器科の一つで、泌尿器腹腔鏡技術認定医を13名擁し、附属病院、総合医療センターともに、現在ではほとんどの手術を腹腔鏡で行っています。また、附属病院にはダ・ビンチSiを導入し、ロボット補助下前立腺全摘術年間100例以上実施するとともに腎部分切除術も行っています。研究でも、泌尿器腹腔鏡手術の開発とその有用性の検証、腹腔鏡手術、ロボット手術、尿路内視鏡手術の技術評価、ナビゲーションやシミュレーションの開発などに精力的に取り組んでいます。
腎泌尿器外科では、癌や結石のほかに、男性不妊症、男性更年期障害、性機能障害(ED)、性適合障害など、男性科学というべき領域、副腎腫瘍、腹圧性尿失禁や性器脱などの女性泌尿器疾患も診断、治療しています。尿路性器癌に関する無作為化試験を含む様々な臨床研究、副腎腫瘍についての基礎的臨床的研究、男性科学についての基礎的、臨床的研究を行っています。
さらに、腎移植も積極的に実施しており、病院の腎センターで腎臓内科や健康科学センター、看護部などと連携し、質の高い診療と、サルコペニアをはじめとする先端的臨床研究を行っています。
私たち関西医科大学腎泌尿器外科は、泌尿器内視鏡手術の基礎研究を中心として、さまざまな臨床研究を行うとともに、若手泌尿器科研究者の育成にも全力を挙げています。

より低侵襲な質の高い医療を目指して

 腎泌尿器外科学講座は、副腎、腎、尿路、生殖器に関する様々な疾患を対象とし、病態の解明を行いながら、最新の医療を提供しています。サブスペシャリティーは、腫瘍、感染症、排尿、結石、男性学(性機能、不妊など)、移植、小児泌尿器など多岐にわたり、これらの各分野に専門医師を配し、研究、教育、診療を高いレベルで実践しています。
 講座の大きなテーマは安全で質の高い低侵襲外科治療の開発であり、手術の科学的な解析に取り組んでいます。
 サルコペニアを、腎移植患者をモデルとして研究しています。“フレイル” の回避のヒントが見つかるかもしれません。
 実験病理学講座との共同研究として、精子や副腎の幹細胞をmulticolortechnique を用いて同定し機能を解析しています。この研究を尿路上皮癌などのcancer stem cellの解析にも発展させ、将来的には抗がん剤への耐性機構の研究につなげることも視野に入れています。医化学講座や第一解剖学講座との共同研究としては、精巣に発現するタンパク質の機能解析、副腎組織の自家移植に関する研究などを行っています。

現在の研究テーマ

工学的アプローチを用いた泌尿器内視鏡手術の技能分析・AR(augmented reality:拡張現実)を用いた手術手技学習システム開発

 経験の浅い術者への手術教育は重要課題です。工学機器を用いた術者の技能計測を一つの研究テーマとし、過去に個々の操作に対し技術分析を行ってきました。
 3軸力覚センサを用いた剥離操作に関する計測では、熟練者が剥離開始直後に垂直力を強めた後、垂直力を緩めながら水平力を加えることを明らかとし、剥離作用力の方向の重要性を示しました。[Yoshida et al. 2013 Surg Endosco]
 縫合操作では、ドライボックスでの縫合操作を対象とし、縫合結紮点に加わる作用力を計測し、熟練者は、垂直方向の作用力を加える時間の割合が初心者に比べ少ないことを示しました。[Takayasu et al. 2017 Am J Surg]
 ロボット手術(シミュレータータスク)における術者の姿勢を、光学式Motion capture systemを用い評価し、初心者は、アームレストから肘が浮き手首と強く背屈する傾向があることを示しました。[Takayasu et al. 2017 Surg Endosco]
 現在、生体計測により得られたデータをリアルタイムにフィードバックするシステムの開発に取り組んでいます。さらに、一人称視野を共有し熟練者の技能を学習するプログラム「追いトレ」を泌尿器分野で応用予定です。将来的に、VR技術を用いた患者説明ツール(タブレット端末使用)、医学生向けの泌尿器疾患学習ツールを開発予定です。

尿路結石および上部尿路腫瘍に対する新たな技術革新 -医工学の進歩を踏まえて-

 尿路結石に対する内視鏡手術が普遍化する中、急速なテクノロジーの進歩によってパラダイムシフトに直面しています。上部尿路結石の医療の進化をさらに加速するため、医工学的な視点を重視して研究を行っています。現在までに医療従事者の被曝防護、超音波を用いた腎杯穿刺技術、上部尿路結石に対する治療法決定のアルゴリズム[Yoshida T et al.2017Urology]、上部尿路内視鏡手術技術の評価法などに関する研究、さらに手術技術向上のためのsimulator(呼吸変動モデル)[Inoue T et al.2018 J Endourol]の開発を行ってきました。さらに結石モデルの開発、新規尿路内視鏡の開発と評価、光ファイバーの応用などに関する研究を進めています。また、今後は対象を上部尿路腫瘍に広げ、診断・治療技術の向上に関する研究に取り組む予定です。5-ALA(アミノレブリン酸塩酸塩)を用いた研究を産学連携で始めている。

腎移植レシピエントにおけるサルコペニア -改善のために何が重要か?-

サルコペニアは筋肉量及び筋力の低下によって起こる病態で、高齢化が進む我が国においてADLやQOLの低下を引き起こす主因として近年注目されています。また、腎不全患者は腎機能低下に伴う異化の亢進や長期間に及ぶ蛋白制限などにより、健常人よりサルコペニアの頻度が高いとされており、腎予後や生命予後との関連性が指摘されています。しかし、腎移植レシピエントにおいてはその詳細は不明であったため、当院健康科学センターの協力のもと、当院で腎移植を施行したレシピエントに対してサルコペニア評価を行い、関連因子を検討しました。腎移植レシピエントのサルコペニアにおいては、年齢と透析期間が関連因子Yanishi et al.2017Transplant Proc]としてあげられ、筋肉量低下と身体活動量の低さに関係性を認めました[Yanishi et al.2017IntUrol Nephrol]。現在は、腎移植前後で経時的にサルコペニア評価を行い、腎移植が筋肉に与える影響を調査しています。また、サルコペニアと診断されたレシピエントに対して運動療法や栄養指導などを行い、サルコペニアへの介入療法の効果を評価中です。今後は、筋肉より分泌されるサイトカインであるマイオカインの測定などを行い、腎移植レシピエントにおける筋肉とマイオカインの関係性の解明も期待しています。

連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
関西医科大学 腎泌尿器外科学講座
電話 教授室 072-804-2765(ダイヤルイン)
研究室 072-804-2086(ダイヤルイン)
FAX 072-804-2068

関連

医学部 腎泌尿器外科学講座
大学院医学研究科 医科学専攻 腎泌尿器外科学

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