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学部・大学院

小児科学

 小児科学は、出生直後の新生児が心身ともに成人(およそ20歳)となるまでの期間を対象として診療研究を行う臨床医学分野です。昭和6年に開設された当講座は、80年以上の歴史を有しています。その間、数多くの優秀な小児科医を輩出してきました。また学閥がないため、他大学の卒業生も多数入局し、臨床と研究に日々研鑽を積んでいます。
当講座の医師は、3つの大学附属病院のほか、135の関連施設で診療にあたるとともに、初期研修医、後期研修医や医学生の教育にも力を注いでいます。また研究面では、金子一成主任教授が専門とする腎泌尿器疾患における研究、とくに「ネフローゼ症候群の病因解明に関する研究」を中心に、多くの有名英文医学雑誌に掲載される実績を残しています。さらに海外との交流を深めるために、著名な外国人研究者を頻繁に招聘し、研究面での助言をもらうとともに留学希望者の受入れ先にもなっています。現在常時2~3名の講座員が米国やカナダに留学をしています。
教育面、診療面そして研究面でもわが国トップクラスの設備とスタッフを有する当講座は、次代を担う小児科医と病気と闘う子供を全力でサポートしています。

正常な腸内細菌叢の確立過程から見た小児慢性疾患の病因解明

 小児科学は、新生児が心身ともに成人(20歳)となるまでの期間を対象として診療研究を行う臨床医学分野です。当講座では幅広い分野、すなわち新生児学、小児腎泌尿器病学、小児循環器病学、小児消化器・肝臓病学、小児血液・悪性腫瘍学、小児アレルギー・免疫学、小児代謝・内分泌学、小児神経学、および小児心身医学において様々な基礎研究や臨床研究を行っていますが、教室の研究のメインテーマは「腸内細菌叢の異常と小児疾患の関連」です。
 腸内細菌叢は、ヒトの腸内でバランスを保ちながら存在する多種多様な細菌集団で、ヒトの健康保持において重要な役割を担っています。3歳頃までに正常な腸内細菌叢が確立されないと、アレルギー疾患や肥満、発達障がいなどの原因になるという考え方が近年注目されています。
 当講座では、様々な小児疾患の患者糞便を用いて次世代シークエンサーで腸内細菌叢を解析し、その異常を検出するのみならず、プロバイオティクス(健康増進効果をもたらす生きた微生物、またはそれを含む食品)によって腸内細菌叢を是正することで治療介入ができないか、検討を行っています。

現在の研究テーマ

現在の研究テーマ:腸内細菌叢の異常と小児疾患の関連

小児の特発性ネフローゼ症候群における腸内細菌叢の異常

 当講座では長年、特発性ネフローゼ症候群の病因研究、すなわち大量のタンパク尿の出現機序の解明を目指してきました。近年、私たちのグループを始めとして「制御性T細胞の異常が腎糸球体上皮細胞の構造・機能異常を引き起こし、タンパク尿を出現させる」という仮説が提唱されています。制御性T細胞は主に腸内細菌の産生する短鎖脂肪酸によって誘導されることから、私たちは「本症の患者さんは腸内細菌叢に異常があり、そのために制御性T細胞が十分に誘導されず、結果としてポドサイト、およびその関連分子の障害が生じてタンパク尿をきたす」という仮説を立て、大学院生が中心となって研究を行っています。

小児のアレルギー疾患と腸内細菌叢の異常の関連

 アトピー性皮膚炎、気管支喘息や食物アレルギーの小児患者においても、腸内細菌叢の異常、特に酪酸産生菌の減少が認められることが報告されています。また乳児期に抗生物質を服用した小児にはアレルギー疾患の発症率が高いという報告も、腸内細菌叢の異常とアレルギー疾患発症との関連を間接的に示唆しています。そこで当講座では、アレルギー疾患の小児においてプロバイオティクスを継続投与することで、腸内細菌叢の異常を是正し、ひいてはアレルギーを治癒できないか否かの臨床研究を今後行っていく予定です。

小児の発達障がいと腸内細菌叢の異常の関連

 最近、動物実験で、「腸内細菌が過剰に産生したある種の短鎖脂肪酸(プロピオン酸)が、神経系の発達に悪影響を及ぼし、自閉症スペクトラムを引き起こす」という仮説が提唱されました。そこで当講座では、実際の自閉症スペクトラムや注意欠如多動性障害などの発達障がいの小児において、腸内細菌叢の異常が存在するのか否かを検討する予定で、倫理委員会に研究を申請しています。もし発達障がいの小児においても腸内細菌叢の異常が確認できれば、アレルギー疾患の小児と同様に、プロバイオティクスを継続投与する臨床治験も計画しています。

小児がん患者に対する抗癌剤治療が腸内細菌叢に及ぼす検討

 小児がん患者の生存率は、近年の化学療法の進歩によって飛躍的に向上しています。しかしながら化学療法に伴う併存症(合併症)は減少したとは言えません。特に発熱性好中球減少症は化学療法中の合併症としては、頻度も重症度も高く、注意すべきもののひとつですが、実臨床の現場では、いまだにしばしば認められます。発熱性好中球減少症は好中球減少時の発熱で、多くは血液培養が陰性であるものの、抗菌剤の経験的治療で改善することから、大半は何らかの感染症と考えられていますが詳細は不明です。当講座では発熱性好中球減少症には化学療法に伴う腸内細菌叢の異常が関与しているのではないかと考え、化学療法前後の患者さんの糞便を用いて次世代シークエンサーによる腸内細菌叢の解析を行う計画を立てています。

連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
関西医科大学 小児科学講座
電話 072-804-2563(ダイヤルイン)
FAX 072-804-2569

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