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死生学
現在の研究テーマ
多様な生と死について考える
行動医学教室では、医学や医療が進歩しても避けられない「死」の問題に学際的・国際的に取り組んでいます。死生心理学(Death and Life Studies)を基盤とし、国内外の研究者との共同研究を通じて、従来十分に扱われてこなかった課題に挑戦しています。
1.ライフサイクルにおける死の再考
高齢化、自然災害の多発、世界情勢の不安定化などにより、現代社会では「死」がかつてないほど私たちにとって身近な存在となっています。予期せず自身や大切な人の死と向き合う時代において、ライフサイクルのあらゆる段階での死生の問題を整理・分析し、人々のQuality of Life(QOL)の向上を支える新たな理論的枠組みを構築するため、国際的な比較研究や共同研究を進めています。
2.生死を巡る倫理
医療現場では、しばしば生死に関わる選択を迫られる状況に直面します。生殖医療や終末期医療などの選択肢が多様化する一方で、短時間のうちに決定を行わなければならない場面も珍しくありません。現代の医療倫理では「自己決定」や「自由意思」が重要な判断基準となっています。日進月歩を続ける医療現場において、倫理的な判断力と患者の選択を支える力がますます重要になっています。
当教室では、こうした倫理的判断基準の多様性やその根拠を探究し、さらに倫理的選択が患者や家族に与える心理的葛藤や医療従事者のケアについて国際共同研究を展開し、新たな学際的知見を発信していきます。
3.医療従者養成における死生学教育
医療者や医学生に対する死生学教育の必要性が指摘される一方で、教授法や教育効果の測定などの課題も残されています。死生学は学際的な学問であり、人文学(文学、哲学、倫理学、心理学など)や自然科学(医学、生物学など)、さらに芸術や美学の視点からも死を捉える学問です。生老病死の中で、人生の喜びと苦しみを抱える患者さんを支える医療従事者にとって、生と死について自らの考えや臨床経験を振り返り、整理する学問的枠組みは「善き医療人」の礎となります。死生観は個人の経験や体験により変化しますが、まずは学際的に死を捉え、自らの死生観を問い続ける力を養う教育についても研究を進めています。
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研究業績