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学部・大学院

法医学

法医学講座では日常的に司法解剖などの鑑定業務を行っており、関連する法医遺伝学や法医中毒学の研究を実施するとともに事例の検討を行っています。実際の鑑定で必要に応じて検査法を開発したり改良することもあります。
法医遺伝学に関しては、STR(短鎖縦列反復配列)、Y-STR(Y染色体のSTR)、SNP(一塩基多型)を検査対象とするDNA型鑑定に関して、新しい検査法の開発等を行い、実際の鑑定に応用しています。特に近年は、一度に多数の塩基配列を検出できる次世代シークエンサーの法医学的応用(遺体内微生物のメタゲノミクス解析や死亡前のストレスの判定など)について精力的に検討しています。
法医中毒学に関しては、薬毒物や体内成分の高速液体クロマトグラフ・タンデム型質量分析装置(LC-MS/MS)を用いた微量分析法や、高価な機器を使わない簡易分析法の開発や毒性の評価を行っています。
その他、溺死の診断に不可欠なプランクトン検査に関して、陸生珪藻の混入による誤判定の可能性などについて検討しています。

現在の研究テーマ

現在の研究テーマ

次世代シークエンス法の各種法医学鑑定(個人識別、人種識別、心臓突然死例の解析、腸内細菌メタゲノミクス解析)への応用

法医学講座では微生物学講座、整形外科学講座と共同で購入した次世代シークエンサー Ion PGM Systemを、法医遺伝学や法医病理学領域の研究、実務に応用しています。

次世代シークエンス法による個人識別と人種識別

165座位のSNP(一塩基多型)を同時に検出するIonAmpliSeq Ancestry Panelキットと日本人非血縁者207人のDNAを用いてSNPデータベースの構築を試みました。165座位のうち15座位では多型性がなく、19座位で連鎖不平衡が認められ、残りの131座位のSNPで多型性を検討したところ、総合同値確率は1.22×10^-41となり、現在DNA型鑑定で実際に検査されているSTR(短鎖反復配列多型)よりも高い多型性を示しました。人種識別を目的として1000人ゲノムプロジェクトで公開されているアフリカ系、ヨーロッパ系、アジア系(ベトナム、中国、日本)のデータと比較するためにStructure解析を行うと、アフリカ系、ヨーロッパ系は明確に識別され、日本人とはほぼ同じ、他のアジア系とは若干パターンが異なる結果が得られました。さらに主成分分析を行うと、同様にアフリカ系、ヨーロッパ系は明確に識別されましたが、他のアジア系とは分布の重複が認められました。Ancestry Panelと124座位のSNPを検出できるIon AmpliSeqIdentity Panelキットを用いて吸い殻、紙コップ、空き缶などから微量DNAの型判定を行う鑑定に応用。これらの試料のうち一部はSTRで良好に型判定できましたが、次世代シークエンス法ではSNPをほとんど検出できませんでした。しかし別の試料では逆の結果が得られ、試料の状態により検査の可否が変動しました。また、mtDNA Whole Genome Panelキットを用いて古人骨のミトコンドリアDNAの全塩基配列の解析を行うことが可能でした。これらの結果をもとに、より高精度の個人識別法や人種識別法を開発していきたいと考えています。

日本人特異的アレルの検出による日本人の特定

鳥取大学との共同研究で、日本人特異的アレルがあると報告のあるSNP 60座位を抽出し、日本人特異性を調べました。日本人集団として、縄文人の血を濃く引く沖縄県民と、弥生人の系統と考えられる鳥取県民のDNAサンプルを用いました。また、ソウル在住の韓国人や、中国人など他のアジア人集団の試料も比較検討しました。日本人特異的アレルの検出数で単純に比較すると、沖縄集団は8個以上、鳥取集団は4個以上保有し、他のアジア人ではほとんど検出されませんでしたが、例外的に韓国人で最高4個保有する個人がいました。それぞれの観測値はポアソン分布に準じていました(日本人では正規分布にも準じていました)。判別分析や主成分分析などの統計学的検定法で検証しましたところ、おおむね日本人を識別することが可能でした。将来的には次世代シークエンス法用のキット化も視野に入れています。

鳥取大学との共同研究で、日本人特異的アレルがあると報告のあるSNP 60座位を抽出し、日本人特異性を調べました。日本人集団として、縄文人の血を濃く引く沖縄県民と、弥生人の系統と考えられる鳥取県民のDNAサンプルを用いました。また、ソウル在住の韓国人や、中国人など他のアジア人集団の試料も比較検討しました。日本人特異的アレルの検出数で単純に比較すると、沖縄集団は8個以上、鳥取集団は4個以上保有し、他のアジア人ではほとんど検出されませんでしたが、例外的に韓国人で最高4個保有する個人がいました。それぞれの観測値はポアソン分布に準じていました(日本人では正規分布にも準じていました)。判別分析や主成分分析などの統計学的検定法で検証しましたところ、おおむね日本人を識別することが可能でした。将来的には次世代シークエンス法用のキット化も視野に入れています。

死因を示唆する所見がない解剖例11例のmolecular autopsyとして、Ion AmpliSeq Cardiovascular ResearchPanelキットを用いて心臓疾患に関連する404遺伝子から10,430個のDNA断片を増幅したところ、全例から多数の変異が検出されました。さらにこの中から、データベース(Clin-Var、OMIM)に登録されている病原性変異や、関連学会で推奨されている病原性変異、各種スコア(SIFT、PolyPhen-2、Grantham、MAF)で抽出される変異の有無を判定したところ、全例で複数の病原性変異が検出されました。これらの結果は心臓性突然死の可能性を示唆していますが、中には病原性変異ではなく日本人の多型とも思われるものが含まれており、さらなるデータの蓄積が必要と思われています。

次世代シークエンス法による腸内細菌メタゲノミクス解析

Ion 16S Metagenomicsキットを用いて、剖検例24例の結腸内細菌叢の解析を行いました。多数の腸内細菌が検出され、その分布を図示することが可能でしたが、年齢、食事内容、腸の状態(下痢、便秘、下血など)、死後経過時間、疾病の有無など多因子が関与するため、死因との明確な相関は解明できませんでした。ただし疾病に関しては、本学小児科学講座との共同研究で、特発性ネフローゼ症候群の患児の再発例の便で腸内細菌叢が変化しており、これが制御性T細胞の分化・誘導の低下をもたらして発症に影響しているという結果が出ています。このような疾病単位のデータ等の蓄積が次世代シークエンス法で得られるビッグデータの解析に必要であろうと考えられます。

連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
関西医科大学 法医学講座
電話 072-804-2412
FAX 072-804-2419

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医学部 法医学講座
大学院 医科学専攻 法医学

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