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学部・大学院

臨床神経学

1) 細胞レベルでの変性疾患の研究
神経筋難病の克服のためには、死に至る細胞をいかに救うかが大命題である。まず死に至りつつある細胞の病態を解明しその中から治療の端緒をつかむことを目指している。具体的には筋萎縮性側索硬化症、パ-キンソン病、封入体筋炎などにおける細胞変性の病態の解明に取り組んでいる。研究材料として剖検脳や生検標本などの病理組織だけではなく疾患モデル動物や培養細胞も用い、研究方法として形態学、超微形態学、免疫細胞化学、生化学、分子生物学等の手法を組み合わせている。蛋白凝集体や封入体の構成成分の解析や封入体形成過程と核細胞質間蛋白輸送障害との関わりの研究を通じて、細胞が死に至るプロセスを解明したい。
2) パーキンソン病モデルラットを用いた大脳基底核神経回路の可塑性の研究
Parkinson disease(PD)では病初期にはドパミン補充療法が有効であるが、進行に伴いwearing offやdyskinesiaといった運動合併症および全体的な薬効の低下が起こり治療に難渋する。これらはドパミン神経の脱落による大脳基底核でのpresynapticな変化だけでは説明出来ず、postsynapticあるいはextrasynapticな変化も伴っていると考えられる。近年、大脳基底核回路に関する非ドパミン系伝達物質の関与が言われており、それらに対するPD治療の応用が期待されている。本研究はPDモデルラット、およびレボドパ誘発性ジスキネジア(LID)モデルラットを用いてドパミン神経の脱落後に生じるpostsynapticやextrasynaptic、さらにはネットワークレベルでの変化を解明し、PDの進行に伴って薬効が減弱していく機序や、進行期にLIDが発症する病態生理を明らかにし、新たな治療戦略を見いだすことを目的としている。
3) 臨床研究
重症筋無力症、HTLV-1関連脊髄炎、パ-キンソン病などを対象とした先駆的な治療方法に関する検討を行っている。また、脳血管障害の分野では、術前エダラボン投与による頸動脈ステント留置術後の過灌流症候群予防に関する検討や、超急性期脳梗塞に対する脳血栓回収術におけるdeviceや閉塞部位の違いによる再開通率および予後に関わる因子の検討を行っている。
そして、なによりも研究を通して科学者としての厳しい眼、姿勢を磨くことを心がけ、その中から臨床に還元できる研究成果を目指している。
4) 神経病理学的研究
一般的な病理組織染色、免疫染色を用いて神経病理学的診断を行い、臨床での診療能力の向上を目指している。病理解剖から得られた検体の一部は凍結保存行い、蛋白やDNA、RNAなどの分子生化学的解析と遺伝子発現解析を通じ、神経変性疾患の病態解明を目指している。

現在の研究テーマ

連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
関西医科大学 神経内科学講座
電話 072-804-2540,072-804-2545(ダイヤルイン)
FAX 072-804-2549

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